個人的なものから引用した仮のものです

舞台「貴方なら生き残れるわ」観劇レポ

 

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今日は舞台「貴方なら生き残れるわ」を観に、埼玉まで行ってきました。

takumi.themedia.jp

埼玉と聞いて行くのにどのくらい時間かかるかな…

と身構えましたが、実際は電車で一時間ちょっとでした。

劇場は「彩の国さいたま芸術劇場」。最寄駅は「与野本町駅」になります。

アクセス|彩の国さいたま芸術劇場

駅から割と近く、外に出ると周辺地図もあるのでかなり分かりやすいです。

中学校の更に先に劇場があります。

 

ここに載っているあらすじだけでは分かりにくいですが、

高校のバスケットボール部に所属する子たちの話です。

ある子はプロを目指し、ある子は挫折して部を辞め、

そんな子たちを観ていた監督は監督をおりろと校長に迫られ…と、

部を取り巻く仲間に次々苦難が訪れます。

その苦難を通して彼らはどう選択し、何を学んだのか。

バスケに詳しくなくとも、バスケを通して伝わる深いメッセージに

思わず最後は涙が出ました。

 

・すり鉢状の劇場。新しい舞台の魅せ方

小ホール|施設のご案内|彩の国さいたま芸術劇場

リンクを見ていただくと分かるんですが、ぐるりとステージを囲むような客席になっています。

一番下だと本当に目の前で役者さんの演技が見られますし、

上の方でも舞台全体を俯瞰的に見ることができ、一気に舞台の世界観に引き込まれました。

しかしこれでは、幕を閉じたり暗転してシーンを切り替えたりすることができません。

どうやって場面を変えるのかと見ていたら、瞬間的に演技とBGMを止めることで、

時間の経過を表していました。

バスケの試合をしていて動き回っていたと思ったら放課後のシーンになったり、

感情を爆発させたシーンから急にそれを沈めなければならなかったり、

役者さんみんなが演技と感情のスイッチをカチリと入れ替えていて、

そのプロ意識と漂う緊張感に圧倒されました。

舞台の上には細い液晶画面があり、そこに話しているセリフではなく

役の心の中にある本音が映し出されます。 

結構早く次の言葉にかわってしまうのですが、

そのスピード感も押し寄せてくるような強さが表現されていました。

 

・生きた演奏でBGM

体育館のようなホールに響く音楽はまさかのギター生演奏。

甘くもキレのいい音で、舞台にメリハリがついていました。

ところどころ歌が入るのですが、その歌がまた心に染みます。

 

ネタバレになりますが、最後野球部を辞めてバスケ部に入った主人公は、

そのバスケ部も無断で辞め、東京に行ったあと就職した会社も辞めました。

仲間とも気まずくなって、会いづらいとこぼします。

久しぶりに会うかれに監督が、一番活躍していた子(また名前忘れてすみません)は、

大学に推薦ではいったというのにバスケをすぐに辞めたことを話します。

その子は結婚もして、辞めてでもやりたいことをやってよかったと言ったそうです。

「お前も、やめてよかったと言えるようになりなさい」

「選んできたことを、正解にするしかないんだ」

という監督の涙ながらに言ったセリフとともに、歌と画面に出された言葉が、「貴方なら」。

タイトルの意味が分かったような気がして、自然に涙が出ました。

 

・演技とは思えないほど白熱した試合

とにかく役者さんの演技がリアルでした。

くだらないことで喋る男子学生の雰囲気もそうですが、

何より注目が集まったのはバスケの試合!

ある程度のボールの流れや試合展開は決まっているのだと思いますが、

走り込みも本気で、一歩間違えば怪我しそうでどきどきしました。

また友人や大人にキレたときの、学生の不器用な言葉使い。

 

 

「俺の気持ちなんてわかんねぇよ」「俺の何を知ってんだよ」

本気のぶつけあいな感じが、、学生らしく思えました。

 

 

生徒だけではなく、監督の話も切なかったです。

大人だからこそ思うように動けない不自由さや、

上からの「決まったことだから」と突きつけられる現実。

経緯を淡々と生徒に説明するしかない不甲斐な辛さ。

 

見ていてとっても歯がゆい気持ちになりました。

 

個人的にバスケは苦手でルールも詳しく知らないし、

楽しく観れるか不安でしたが、

想像していた以上に大きなメッセージ性を感じられる素敵な舞台でし